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Emeat × 中植さん × 能勢黒牛




事の発端は昨年の10月、Emeatも取り組んでいます黒毛和牛の短期肥育プロジェクト
『 若牛(わかうし)』の東京での会議に参加したのですが、その若牛の第一人者で
ある大阪は能勢の中植さんが翌日牧場に遊びにきて下さったのがきっかけでした。


中植さんは、大阪の能勢町で黒毛和牛の肥育農家でありながら精肉屋さんと焼肉屋さん
を一貫して行っていて、地域に根ざした『 能勢黒牛 』というブランドで大活躍されて
いる方です。この日記にも何度も登場している、全国の数多くの牛さん観ているカリスマ
獣医師の松本大策先生のコンサルタントをお願いしている数少ない個人規模の牧場同士と
いう事もあり、はじめましてとは思えないほどお互いの事が理解できる心強い関係です。


その時に、まだ何も確立されてないし、正直怖いけど、松本先生が本気で取り組むこの
『若牛』のプロジェクトは、教え子である小さい個人規模の牧場の私達が投げ打ってで
も最初に動かなきゃ、何も始まらない!と若牛に取り組む決意をしたのでした。



そんなこんなで、中植さんが石坂牧場に来て下さった記念に生まれたばかりの子に
『 中植さん 』と名付けたのでした。









たまに『中植さん』の成長はネットなどを使って報告していました。
『中植さん』は脱走は何度もしましたが、病気も一切無く、順調に育っていました。
そして、ある時にフッと思いついてしまったのです。


『中植さん』を中植さんが育てて、能勢黒牛もしくは能勢黒若牛になる。
それってやっぱり素敵だなぁ!



もちろん、ただの思いつきです。
石坂牧場は母牛の管理から子牛の育成、そして肥育と一貫して行っていますので、子牛を
販売する事も可能なのです。現在は子牛の値段が高騰しているという事もあり、同じよう
な一貫農家さんが肥育の前に子牛で販売するという事も増えています。もちろん時代に合
わせた柔軟さは経営的にとっても大事なのですが、でも、石坂牧場は一貫のサイクルを守
っていくという事にずっとこだわってきました。改善が早い、ストレスが少ない、子牛を
相場に左右されない分だけ餌にこだわれるなど、一度歯車が回れば強いのですが、デメリ
ットはその歯車がとても大きい事なのです。育成し、母牛を育て、種付けをして、妊娠、
出産、子牛育成、肥育、そして販売してやっとこさ資金が産まれるんです。その間の経費は?
こんな感じでようやく順調に回り出すまで10年以上もかかりました。
やっと大きなサイクルが回転し始めたという事を重視しているので、基本的に子牛での販
売は現在も全く考えていません。






でも、今回はなぜか想像が止まりませんでした。


メスの得意な中植牧場に行ったらこの子はどんな子になるんだろう?
中植さんは精肉店や焼肉屋さんもされているので、この場合はエミートのように
「牛肉」ではなく「中植さんのお肉」として提供されるんだろうな。そんな時、育てた
中植さんはどんな気持ちになるのだろうか?でも牧場に自分が名付けた牛さんがいるっ
て牛飼いとして単純に楽しいよね!その感覚を中植さんにも味わってもらいたい!
若牛の飼育技術は想像よりもはるかに高度で、お互いが協力しあって詰めてく事が本当
に大事な連携になっていくけど、そんな時にお互いの共通の牛さんがいると楽しいよね!
なにより名付けた後にバシャバシャと子牛の写真を撮ってた中植さんの牛好きの顔!


何かに迷った時、エミートが判断基準にしている事は「しあわせな牛飼い」なのは
どっちか?という事を真剣に考えます。という事で今回の自分なりの答えが出ました。







よし!『中植さん』は 中植さんに育ててもらおう!
基本的に子牛の値段はセリにかけられ取引されるのですが、それには理由があって
売る方は高く売りたいし、買う方は安く買いたいので結局こういう取引は上手くいかないの
です。でも、そこを信頼で乗り越えた時はとても効率的だし、目先以上の価値を生むと思う
のです。と決まれば連絡を取り合って、全てをオープンに中植牧場を一直線に目指して育てて
みます!あくまで私達ではなく牛さんの効率を重視した事をやってみたいと思いつきました。
中植さんにその事を打診してみた所、びっくりしながらも大変喜んでくれました。








どんな事があって、どんなものを食べて、どんな事を何のために行ったのか、して欲しいか?
餌が変わるストレスがかかるならば、もちろん餌も持っていきます。
石坂牧場自慢の牛さん1頭1頭に用意され書き込まれていくオリジナルカルテも引き継ぎます。
子牛での出荷が初めてなので、恵美も体験した事のない感覚らしく、でもやっぱり寂しさは
同じで、技術的な事ではない飼い方の指示書を一生懸命書いていました。







特別サービスでリボンも付けちゃいます!
さあ、大阪の能勢まで520km。
手渡しが楽しいので、もちろん運ぶのも自分でやりますよ!




 








ゆっくり夜通しで10時間かけて中植牧場にやってきました!
ずっと座って来たので『中植さん』も元気百倍!
場所が違っても人が変わってないので落ち着いてる!
これぞ手渡しパワー!







違う牧場に来たばかりとは思えない、すぐに草を食べるほどの落ち着きっぷり。
移動よりもリボンの方がストレスかかってるのでは?と思ってしまう(笑)








楽しいから手渡しで、というのもあるのですが、実はこの日は中植牧場の松本大策先生
のコンサルがあり、同行させて頂きました。我が家でも仕上げの段階に入っている『若牛』
の現状報告や改善など、実際に顔を合わせて詰めていく貴重な時間となりました。
「短縮」していくという事は、単純に早く出荷する事ではなくて、これまでの技術や経験
の集約をしつつ、新しい目線で考えて、餌や給与方法などを新たに開発していかなければ
ならない事ですので、それぞれ皆遠い所にいても牛さんを見ながら実際に集まって真剣に
内容を詰めていくのが大切になってきます。もちろん産みの苦しみもあるのですが、そこ
にチームとして参加できてる事が私達の牛飼いの人生にとってとても貴重な財産です。












そんな時に『若牛』に取り組む私達のお互いの共通の牛さんとして「中植さん」が私達の
癒しになり、そして、中植夫婦に愛情をたっくさんもらって、能勢で元気に大きく育って
くれると思います。








こんな大きく素晴らしい能勢黒牛になるのか、新しい能勢黒若牛となるのか、
どちらにせよ「中ちゃん!」と呼ばれ、めいっぱい可愛がられてストレスなく育って
くれると大阪に到着した時の中植さんの顔を見て確信しています。



すでにズレてキティちゃんになってるリボンはいつまで付いているのか?
今後の中植牧場の『中植さん』からは目が離せません!
またね、元気でね!








                               えみりんの旦那













 
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