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Emeat 若 牛(わかうし)







そもそも、『 若牛 -わかうし 』ってなに? 


日本における「和牛」と言われるものは黒毛和種、褐毛和種、日本短角和種、無角和種、とその4種間の交雑種の事を言いまして、その中でも9割を占めているのがEmeatも現在飼育しています黒毛和種です。他の動物にはないサシ(霜降り)の入る遺伝子を持ち、日本が世界に誇れる「和牛」となりました。外国産のお肉と差別化する為にも、黒毛和牛はどんどん霜降りを追求して改良しています。長い歴史を積み重ね、現在は安定的に霜降りのお肉を作る肥育方法が主流です。Emeatもその歴史に学び、これからも日本の誇る霜降りのお肉も作っていきます。




その一方で赤身嗜好の声も現在は増えていますよね。現在は脂の入るロース系よりも赤身の強い部位から売れていきます。黒毛和牛は霜降りを目指す飼育方法のみの製法で、赤身の強い部位が取り合いになっているというのが現状です。もっと言えば、その霜降りや赤身の嗜好の違いでお肉を選ぶ時に「赤身=外国産」「霜降り=和牛」というイメージが一般的になっていってる気がします。これって私たちの求めた差別化でもなく、黒毛和牛の魅力でもないと思います。




だってサシ(霜降り)だけが黒毛和牛の魅力じゃないから!歩留まり(お肉になる量)の良さや風味や和牛特有のほのかな甘み、循環、歴史、想い、目の前の牛さんに触れる度にたっさんある事に気付かされます。



ですから、1つの飼育方法で1つの牛肉ではなく、赤身を目指した新しい黒毛和牛の飼育方法を追求していく事もできるはず。それが『 若牛 -わかうし 』の最初の考えです。



「赤身と霜降りのいろんな種類があって安心しておいしく食べれる牛肉=日本の和牛」



これこそが、私たちの求める差別化であり、黒毛和牛の魅力だと思うんです。






上記は大雑把なグラフですが、若牛のコンセプトは牛さんの骨格の成長曲線の最大値を迎える約20ヶ月齢でお肉を仕上げる事が出来れば、牛さんの能力を十分に発揮しつつ、サシ(霜降り)を安定的に入れていく時期の前になるので、基本的には赤身のお肉で、さらに若いからこそのジューシーさ、柔らかさやキレが出せるという所です。



その新しい黒毛和牛の飼育方法が開発出来れば、たくさんのメリットが生まれるんです。




☆穀物の節約

世界中で穀物の奪い合いが激しくなってる今、ずっと畜産のあり方も問われて来ました。循環型農業と言ってもお肉を作るのはエネルギー効率が悪いんじゃないか?例えそれが分配の問題であっても、私達生産者は「まずは食べ物がある」ことこそが第一の「食の安全」という意識の元、各農家で少しでも飼料を無駄にしない事を努力してやっていますが、この若牛のやり方は物理的に1頭あたり3トンの穀物を使わずに済みます。




☆環境負担の軽減

さらに成長曲線が最大値を迎えるまでに効率良く育て、従来より10ヶ月も肥育期間が短縮するので、無駄な老廃物が出ずに環境への負担も軽減します。





☆動物福祉の向上

その短い期間に従来の牛さん同様に仕上げるという高度な事が要求されますので、より健康的にストレスを与えずに飼わなければなりません。1つのマイナス要素があったならそれをリカバリー出来る時間が若牛はないので、より健康的に牛さんを育て上げる為に観察したり、予防を徹底する事が必要になるので、期間は半分でも牛さんを診る時間は倍になります。




☆新しい流通の可能性

牛肉は量が大きく部位ごとに用途も違ってくる生鮮食品ですので、間にたくさんの人の手が関わってきます。野菜や果物のように生産者が販売までする道のりはとても遠いので、なかなか生産者と消費者に距離が出来てしまいます。若牛は肥育期間が短いので10ヶ月後に商品が出来上がる事になります。10ヶ月待ちの商品は世の中にはたくさんありますよね。つまり受注生産が可能になり、消費者と生産者が直接繋がって、求められてるものを作るという事が可能になります。








これらの事はとても魅力的なストーリーであったり、合理的な事であったり、たくさんの可能性を秘めていますが、あくまで若牛に取り組む理由は、味です。


どんな物語があっても、実際に食べて美味しいのが大前提です。初めて若牛を食べた時、ジューシーで程よい肉質で歯ごたえが素晴らしかったのです。もともとEmeatも脂質にこだわって来ましたが、そこに若さならではのキレが加わったとても新しい感覚でした。









サシのある無しはその牛さんそれぞれの個性!


サシがあっても無くても、何枚でも食べられる脂質を目指せば良い。「牛さんそれぞれ」をちゃんと伝える事で、個性として楽しんでもらいたい。個性が見えてくると、食材に魂が宿って、言葉での悲しい「いただきます」ではなく、「いただてる」事を体で感じる事を再認識して、何だか心も体も元気になって、思わず食べた後に「ごちそうさまでした」と言いたくなる恵美の育てた牛さんのお肉。 を略すと Emeat エミート です。



若牛を語ると、従来の黒毛和牛を否定してるように誤解されたりしますが、そもそも私は今も今後も従来の黒毛和牛の生産者ですし、サシだって大好き!なんてったってサシが入る遺伝子を持って産まれた唯一の動物の牛さんって世界に誇れる素晴らしいものですよね。だから牛飼いは歴史を重ね、長年の努力の成果で牛さんの能力を発揮しようと今の育て方にたどり着いたのだと誇らしくさえ思っています。



でも、牛さんの魅力はサシだけじゃないですし、1つの小さな牧場で、若い牛さんや、従来の理想的な飼い方をした牛さんや、子を産んだお母さん牛や、長生きした牛さん、などなど。



どれも黒毛和牛だけど、本当はいろんな種類で、そこからさらにいろんな個性のある牛さんが出る。あたりまえのその多様な広がりが、お互いの価値や魅力を再確認できて、求められるニーズによってバランス良く形を変えながら定着していくの事が未来に繋がっていくのかなと私は感じています。







子供達のこと。今日より少しだけ良い明日を。
霜降りも素晴らしいけど、赤身も美味しい。
1つの小さな牧場から、いろんな魅力の黒毛和牛を。














小さくする、軽くする、短縮する、いろんなものが時代と共に進化してきましたが、それらの事って本当にいろんな知識や時間や努力を費やしてようやく進めるんですよね。短縮技術を開発していく。これがこんなにも大変な事だとは思いませんでした。


30ヶ月間肥育してる所をサシが入る前の20ヶ月の所で出荷すれば、餌の節約にもなってリーズナブルな赤身のお肉になる。相手は物言わぬ生き物ですから、こんな簡単な話では決してありません。重量が取れなければ商品の単価はどんどん上がってしまいます
し、お肉はサシの有無で全てが決まるのではなく、キメ細やかさや締まり、風味、味、使いやすさ、部位の成長具合、さまざまな要因が重なる事で美味しいものとなるんです。

 

 

そして長年の歴史を重ねてやっと出来上がったのが現在の肥育方法なのですから、それらを短縮していくというのは本当に難しく、私も最初は不可能だと思っていました。それを実現する為には1つ1つ地道にデータを取りながら最新の技術と経験と知識でクリ
アしていかなければなりません。しかも開発とか試験とか言っても、ただでさえ苦しい農家の中の大切な商品ですので失敗も全て自己責任になります。未来を考え、国のプロジェクトを国が主導でやるなら分かるのですが、個人の農家がやるのは正直言ってリスクしかありません。



この問題は若牛のプロジェクトを進めていくうえで大問題でした。

 

 

理想は素晴らしいが作り手からすると試験牛を作っても買い手がないのでリスクしかない。その反面、若牛に賛同し扱ってみたいと思っているがサンプルや定期的な生産がはっきりしないと買い手は動けない。買い手が無いので生産できない←→買いたいが商品がないので動けない。作り手も買い手も若牛の魅力を理解しているのに全く動けない悪循環です。







そんな時に最初に手を挙げたのが大阪の能勢で『能勢黒牛』を生産している中植さんでした。こんなに素晴らしい話が進まないのは!とリスク承知で最初に取り組んだのです。それはかなりの勇気がいる事と思います。


中植さんとは大きな共通点がありました。お互いがこの若牛プロジェクトにも大きく関わる獣医、松本大策先生が定期的に行っている個人規模の牧場の数少ないコンサル先であったのです。どこにも無いものを新たに作るのだからリスクがあるのは当たり前ですし、やっぱり最初は個人規模の私達のようなコンサル先の牧場が忠実にそして自由に動けますから。



その言葉にハッとして Emeatも若牛の取り組みを始めようと決めたのでした。









そして専用の餌の開発から始まりました。使った事のない餌、これまでとは違う使用量やバランス、そしてそれらは何もデータがありません。3頭という少ない頭数の為に餌を新たに開発というのもコストがかかり、特注の餌なので遠くから運んでくるコストもかかって来ます。










松本先生のコンサルを呼ぶ回数も倍に増やし、直接顔を合わせて情報交換する為に
群馬から大阪の中植さんの松本先生のコンサルに数回参加したり、とにかく前例の
ない事でしたので、チーム若牛として顔を直接合わせながら情報の交換やいろんな
試行錯誤を繰り返してきました。


短縮って本当にこれまでの経験が全部関係してくるなと思いました。
マニュアルじゃなく、牛さんを観察し、声を聞くように必死に飼っていました。



もちろんクリアしなければならない問題は育てる事だけじゃありません。お肉の加工はどうするのか、前例の無いものをどこにどうやって売っていくのか。牛さんを育てる事しかしてこなかった農家にとって、生鮮食品としての3頭が本当に大きく私達にのしかかってきて、何度も潰されそうになりました。



でも諦めずに必死に動いたら、(株)フレッシュミート佐久平さんとの出会いがあったり、中植さんの「能勢黒若牛」が夏のお肉の甲子園とされる「牛肉サミット」で大躍進を遂げたり、メディアに取り上られる中で、素晴らしい企業さんが若牛の開発にに協力してくださったりと、1つ1つクリアしていく事が出来てようやく実現した1つの新しい黒毛和牛の多様性だと信じています。



新世代黒毛和牛 - 若牛 -     ぜひお楽しみ下さい!




もっと詳しい若牛お話はこちらです → Emeat日記カテゴリー「Emeat 若牛」


















 

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