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酢飯屋 × Emeat × 酢飯屋 


 

 

 

酢飯屋 × Emeat × 酢飯屋  の続きです。


   H24.8.25生 ♂ 血統(百合茂)×(安福久)×(平茂勝)
   ※ A5  BMS12  BCS3  ロース94 バラ9.5 枝重635kg





※今回はサシを基準にしていなかったので、正式な格付けはお願いしませんでした。上記の成績はあくまで正式な格付けではなく、ハウスグレーディング(私見)となります事をご了承下さい。




私が牧場に入って初めての12番でした。(正式な格付けではないですが)というか今の牛肉の基準で私のできる最高の成績が『酢飯屋ちゃん』でした。品評会があれば余裕で賞を狙える立派すぎる成績です。



これから若牛やエミートというサシ「だけ」が牛さんの魅力じゃないんです、もっとたっくさんあるよ!という牛肉の多様性を広めるような新しい事にチャレンジしていく上で、「逃げ」とか、本意でない所が注目されたりしない為に、従来の基準の中でも最高の成績を出せる農家があえてやるんだよという事を、証明したい!そして、そんな私達をこれまでお世話になった大切な人に目に見える恩返しがしたくて、どうしてもど〜しても「このタイミング」で出したかった、出さなきゃいけなかった今の基準での最高の成績。それが酢飯屋ちゃんでした。でもこの時は、実はまだ素直に喜べませんでした。




酢飯屋の岡田さんのランチではモモやシンタマが中心で、つまりサシよりも赤身を好んでいます。ここがセリじゃない難しさ。でも難しいけどこれをやりたいんです。岡田さんに今回の牛さんの成績を緊張しながら報告しました。




「親父さんが出荷の時に、こんないい牛見た事無いと言っていて、社交辞令を含んだ言葉だと思った自分が恥ずかしいです。本当に素晴らしい牛さんだったのですね!脂質にこだわってサシの有無は1つの個性、それがエミートですよね、今の評価で最高のものが出来たって事は、それだけ能力を発揮させたって事ですから、大丈夫です、素直に喜んでやって下さい」





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前の日記にも書いた通り、牛飼いや料理人であっても「お肉」に対しては素人同然の私達には、高級で量が多く部位ごとに用途の違う生鮮食品という課題に、さらに「最高級の牛さん」というのがまた1つ加わりました。正直、その責任で身体的にも精神的にもかなりキツくのしかかって来た時期がありました。でも、また奇跡が起こったのです。



出荷の2ヶ月前に若牛プロジェクトの会議に参加させて頂いた時に、その会議の後に食事をしたのですが、その小さな食事でお会いしたのが長野県の(株)フレッシュミート佐久平さんの近藤社長でした。


その席で、今の現状や、やりたい夢を話すと、時間があったら長野に見学に来てよ、と言って頂いたので、お肉の事を知りたい私はすぐに連絡を取って行きました。







正直、お肉の加工現場というのはとても怖いイメージがありました。それはセリで買って頂く相手だからなのか、知識の無いものが行っていいのか?とか、職人の世界で部外者が行って邪魔にならないのか?などいろいろ考えましたが、ここは素直に勉強するつもりで行こうと伺いました。


そして、と畜場や冷蔵庫やカット場、検査場、加工場を近藤社長自らが案内して頂きました。そしてびっくりしました。



「こんにちわ〜」「よう、がんばってる?」「もちろんですよ〜」



みんなもの凄く明るいんです。マスクの奥に垣間見える笑顔、みんな仕事が楽しそう!




「閉ざして良い事なんて1つもないでしょ?見られる事で意識も高まるし、どんどん見にきてよ!」お肉の加工現場に対して変なイメージを持っていた私を恨みました。





この人達にうちの牛さんを扱って欲しい!




今のエミートのやりたい事、その為の課題を必死に説明しました。見学させて頂いて、衛生管理や検査設備や職人技術に圧倒され、これは自分でやろうとすればとんでもない事だと痛感したのも事実です。



「これからの他のミートセンターとの差別化にもなるし、社員の刺激にもなるし、何より面白そうだね、新しいチャレンジとしてやってみよう!」と言って下さいました。





 

 

 

それから、時間を見つけては何度も通って、どんな方法がベストかを話合いました。これまでの部位ごとの大ざっぱなカットではなく、ステーキ用や焼肉用など、お肉の専門的な料理人以外でも包丁で扱える段階までのぐり剥き状態でのブロック加工、スジが複雑な部分はスライス、切り落とし、そして端材はミンチ、とにかくロスを出さない設計、そして生鮮食品という一番の問題をクリアする為に最新技術のショックフリーズ瞬間冷凍し、-60℃での冷凍保存をしていく。ここまで決まった時、何ヶ月ぶりかにやっとぐっすり眠れました。















もちろんカット時には立ち会わせて頂きました。
その道30年の職人さんも、包丁を入れる度に「ホレ、すごいだろ?」と言ってまるで自分の育てた牛さんのように自慢げに私に断面を魅せてくれます。このチームの一体感、そして牛さんはブランドじゃ括れない1頭1頭違うんだと言う事に昔から当たり前のように向き合ってる職人技に心底魅せられました。全く新しい取り組みとして、通常は1頭捌く時間の4倍もの時間をかけてデータを取りながら新しいライン、人員の配置という事を『酢飯屋ちゃん』の為に作って頂きました。



都市部ではレストランが増えていますが、お肉を扱えるシェフはお店に1人で、お店の中のシェフのレベルも様々だから、なかなか慣れ親しんだ部位しか扱えない、だから1つの部位に需要が重なってしまうなんて話も聞きました。



(株)フレッシュミート佐久平さんのようなお肉を扱うプロの協力の元、これまで商品化まで遠かった生産者と、今回のお寿司屋さんのようにお肉とは縁の遠かったお店がお肉で初めて繋がる事で、今までに無かった創造や、気づき、そして何よりもお肉が召し上がる方々に牛さんのお肉がもっと身近なものになると思っています。




『酢飯屋ちゃん』の芸術的な綺麗なお肉、そして今まで知らなかった職人さんの世界、佐久さんの心意気、そして牛飼いをやってきて初めて、1つの牛さんに関わった全ての人達の顔を知ってるという事が実現できて、それは育てた者として本当に幸せで、長野から群馬への帰りの道中、事故りそうなほど涙しました。








そして後日、なんと(株)フレッシュミート佐久平さんがわざわざ牧場に来て頂けました。もちろん我が家の『フレッシュ佐久ちゃん』ともご対面です。育てる私達、餌屋さん、薬屋さん、獣医さん、料理人、そして扱う方々、書面やメールや電話ではなく、実際に顔を合わせて牧場や牛さんを通して繋がって、新しい取り組みにチャレンジし、信頼関係を築いて牛さんのお肉を召し上がる方に届ける。





この場を借りて、『酢飯屋ちゃん』に関わってくれた岡田さん、餌屋さん、松本大策先生、中植さん、フレッシュミート佐久平の近藤さん、井田さん、皆さん、運送屋のおっちゃん、本当に本当にありがとうございました。





さぁ、いよいよ『酢飯屋ちゃん』のお披露目です!





           酢飯屋×Emeat×酢飯屋 につづく















 

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