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Emeat 若牛







日本牛肉協会が進める「若牛普及プロジェクト」の第2弾として、Emeat若牛がいよいよ始動しました。










そもそも、若牛(わかうし) って?



簡単に言えば現在黒毛和牛は28〜32ヶ月間齢の牛さんを肥育して出荷するのが一般的な黒毛和牛の飼い方なのですが、若牛は19ヶ月齢での出荷を前提とした全く新しい和牛の育て方、そして新しい牛飼いの可能性を探るという1つの取り組みです。



定期的にコンサルをお願いしている松本大策先生が理事を務めてるという事もあり、19ヶ月齢で黒毛和牛を仕上げるという構想はずっと前から聞いていました。霜降りは大切な文化です。しかし牛さんの魅力はそれだけではありませんし、穀物や環境の問題、消費者から離れ偏ったアンバランスな生産など、和牛はまだまだいろんな問題を抱えています。消費者の求める事を追求する事で新しい畜産のあり方や、価値を再構築していく事で、牛肉の多様性が産まれ本来のバランスを取り戻す事が未来の子供達に繋がって行く。やはり先生の『しあわせな牛飼いをしようよ!』が根底にある取り組みです。




なにやら見慣れた写真が使われている日本牛肉協会のHPです↓
              
      ( Click! ) →  一般社団法人 日 本 牛 肉 協 会









すごい人たちが多忙な中、なんとかしよう!と自腹で集まる熱い日本牛肉協会での会議に参加させて頂いた翌日に若牛を最初に取り組んだ大阪の中植牧場の中植さんが遠い群馬の牧場に来て下さいました。



中植牧場のある能勢町に古くからある〈 三白三黒 〉の流れを黒毛和牛に注いだ『 能 勢 黒 牛 』はとても評判が良く、直営店の《新橋亭》や《丸昭精肉店》には遠方からたくさんの方が訪れています。そして新世代和牛として最初に取り組んだ『 能 勢 黒 若 牛 』は、滋賀県で行われる10万人規模の大きいイベントである〔 牛肉サミット 〕でいきなり5位に入賞し、テレビや問い合わせが殺到する自体になっています。



中植牧場は松本先生が定期的にコンサルを行う数少ない個人規模の牧場でしたので、以前イベントで同じテーブルになり、お互いのお肉を注文し「これは美味しいですね!」と何度も食べ比べたのが最初でした。








19ヶ月での出荷というのは、単に飼う長さを短くするだけという事ではありません。黒毛和牛は19ヶ月で成長曲線の最大を迎え、あとは緩やかに成長していくのですが、その緩やかに成長していく時に餌を安定的に食べるとサシが入り肉質を変えていきます。

 

 

 

安定して食べてもらう為に、物言わぬ大きな牛さんの小さな菌にまで見つめて日々努力していくのが牛飼いの仕事なのですが、時代も移り変わり、消費者の趣味指向も多様化する中で、サシを重視しない事で1つの新しい牛さんの飼い方が見えてきました。成長曲線の最大で牛さんを仕上げようとする短縮という技術、そして新しい販路の構築。限られた時間の中でよりストレスなく、より健康的に。。



構想はとても素晴らしいのは分かっていますが、それは全く新しい事で、課題が山積みで、これから獣医さん、餌屋さんや動薬さん、販路や流通の開拓に携わる方々の協力無しでは成し得ない事で、農家自身も原価割れが続いてる中でなかなか踏み出せないのですが、今のEmeatがあるのも松本先生のおかげで、小回りの効く数少ない個人規模の松本先生のコンサル先だからこそ、まずは私達がやらなければ誰がやる!と、リスク承知でも開発にチャレンジしてみたいと決めました。









そして、その決め手になったのは、『 能勢黒若牛 』の おいしさ です!!









飢餓に苦しむ人達を救う穀物の量は家畜の餌のたった10%ほど。これらの問題は実際は分配の問題で、農作物の輸入量と一般糧の食料廃棄物を比べてみても余裕で食べ物を捨ててる時代だし、使えるものを乗り換えてエコポイントで喜ぶのも私達。

 

 

 

でも、頭の片隅にはその問題は常にあって、個人レベルでもそれぞれ生産者が少しでも管理を改善していけば、自分の牧場の牛さんの穀物だって10%は減らせるという意識を持っています。



牛さんを飼う期間が半分になれば、穀物の使用量、環境負担も単純に半分!従来の出荷より骨が細いので歩留が良く、無駄になる部分が少ない。そして、牛さんの育成が終わり、肥育する期間が10ヶ月という短さになる事で産まれる「10ヶ月待ちの商品」としての再生産可能な積み上げ式値段での受注生産という牛肉の新しい流通の形。






おそらく一般的には飼育期間が短いのは可哀想と思うかもしれませんが、一番私達が悲しむのはどんな飼い方であれ、出荷まで辿りつかせてやれなかった時です。ペットではない誰かの力になる為に産まれて来た牛さんには、持ってる能力を最大限に発揮してもらうのが私の責任であり、救いであり、親心です。健康的に飼う事を突き詰めながら、出荷までの期間が短いという事は、牛さんが出荷まで辿り行く確率が単純に上がるという事です。







これらの事はとても魅力的なストーリーであったり、倫理的な事であったり、たくさんの可能性を秘めていますが、あくまで若牛に取り組む理由は、味です。

 

 

 

どんな物語があっても、実際に食べて美味しいのが大前提です。能勢黒若牛を食べた時、ジューシーで程よい肉質で歯ごたえが素晴らしかったのです。もともと能勢黒牛も脂質が最高なのですが、そこに若さならではのキレが加わったとても新しい感覚でした。









サシのある無しはその牛さんそれぞれの個性!
サシがあっても無くても、何枚でも食べられる脂質を目指せば良い。「牛さんそれぞれ」をちゃんと伝える事で、個性として楽しんでもらいたい。個性が見えてくると、食材に魂が宿って、言葉での悲しい「いただきます」ではなく、「いただてる」事を体で感じる事を再認識して、何だか心も体も元気になって、思わず食べた後に「ごちそうさまでした」と言いたくなる恵美の育てた牛さんのお肉。 を略すと Emeat エミート です。



若牛を語ると、従来の黒毛和牛を否定してるように誤解されたりしますが、そもそも私は今も今後も従来の黒毛和牛の生産者ですし、サシだって大好き!なんてったってサシが入る遺伝子を持って産まれた唯一の動物の牛さんって世界に誇れる素晴らしいものですよね。だから牛飼いは歴史を重ね、長年の努力の成果で牛さんの能力を発揮しようと今の育て方にたどり着いたのだと誇らしくさえ思っています。



でも、牛さんの魅力はサシだけじゃないですし、1つの小さな牧場で、若い牛さんや、従来の理想的な飼い方をした牛さんや、子を産んだお母さん牛や、長生きした牛さん、などなど。



どれも黒毛和牛だけど、本当はいろんな種類で、そこからさらにいろんな個性のある牛さんが出る。あたりまえのその多様な広がりが、お互いの価値や魅力を再確認できて、求められるニーズによってバランス良く形を変えながら定着していくの事が未来に繋がっていくのかなと私は感じています。






 

 

 

☆ まゆこのこ  2013/11/26生♂  美国桜×勝忠平
☆ 食パンマン  2013/12/13生♂  貴福久×百合茂×北仁
☆ 大晦日      2013/12/30生♂  勝忠平×第1花国×安平




まずは我が家の試験牛としてこの3頭を Emeat若牛 として育てる事にしました。物言わぬ生き物で、どの牧場も環境が違う中だから正解の無い大変な仕事だけど、それぞれが真剣に技術や情報交換しながら日々牛さんと向き合うのが牛飼いの楽しいところでもあります。それぞれ自分の牧場なりの短縮技術の開発が必要になってきます。



最初の中植さんの能勢黒若牛はメスという事もあったので、我が家は市場から導入をしない一貫経営の去勢が主というスタイルで、これから続く同じスタイルの農家さんの指標になるよう精一杯に頑張りたいと思います。








 

 

 

牛さんとお話ができる松本先生に、まずは牛さんに直接、若牛の指導を実施して頂きました(笑)




売り先があって作るのがまっとうな生産というものですが、今回はその前の段階ですので、試行錯誤をしながらも、あと、8ヶ月で運搬、冷蔵庫、売り先と決めて行かなければなりません。でも牛さんの価値は絶対に落とさない。生産者はみんな親バカだからです。



それは一人では抱え込めない大変な事だと感じていますが、とにかく始めなければ何も見えてきません。新しい事ですので、日本牛肉協会はもちろん、牛肉の関係者以外の方からもたくさん知恵を借りて、記念に先生に名付けて頂いた『若牛丸』を出荷する頃には「待ってました!」と言われるような環境をなんとか作りたいです。だって、生産者はみんな親バカだから(2回目)

























 

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