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お肉の販売始めました!

 




   ↑ いよいよオープンしました。クリックするとお店に行けます。






前回前々回の日記にて、「お肉の販売に向けて!」と題して書いてきましたが、ようやく、よ〜やく念願のお肉の販売までたどり着きました!


牛さんを育てる実家の跡取り(3姉妹の長女だけど)になって、農大時代にお肉の販売を夢に見て、卒業、研修を終えて現場に入り現実の厳しさを味わって、でも夢は諦めきれなくて、そして若牛というこれからの黒毛和牛とも出会って、夢ではなく目標として自分でやるんだ!と必死に頑張ってきました。旦那も経験の無いお肉を勉強しつつ、日中の仕事の後に連日朝方までパソコンで作業し、ようやくここまで来れました。



未知の世界に悩み、出会って助けられ、お肉の事や自分の事などをとことん考える期間でした。そして、ますます牛さんが好きになっちゃいました。





ご存知の通り今回の子は、Emeat 若牛 の第1号、大晦日ちゃんです!







大晦日ちゃんの物語はこちらです → 

              ( Click! )「 Emeat若牛 × 大晦日 」



まさか8月末に出荷した牛さんが本当に名前の通りに大晦日を目掛けて販売するとは思ってませんでした(笑)回転が肝のお肉の業界の人からすれば笑われちゃいますが、しっかりと最新の鮮度管理をして、焦らないで、じっくりと1つ1つ積み上げていって自分が納得した時に送り出してあげる事がエミートらしさだと思って、焦る気持ちを必死に抑えながら、どんなものを私達は売りたいのかをずっと真剣に考えてきました。



まだまだ準備不足で、代引きの手続きが完了していませんので、今年一杯は大変お手数になるのですが、クレジットと銀行振込のみの決済になってしまいます。その他いろいろとご不便な事もあると思うのですが、1つ1つ改善していきますので、あたたかいご指導をよろしくお願いします。

 

 

 


さて、前置きが長くなりましたが、前回の日記でお伝えいたしましたように酢飯屋の岡田大介さんにEmeat若牛で「まかない料理」を楽しんで頂き、その大好きな写真と共にショップサイトを作ったり、ブログで商品のご紹介をしたいと願って、ようやく販売の準備が整いましたので、いよいよオープンしたいと思います☆














































大晦日ちゃん、よろしくお願いします!












 

 

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Emeat若牛のお肉の販売に向けて 





Emeat 若牛 という新しい取り組みをするにあたり、既存の流通に乗せるのではなく自分達で価値を決めて販売していく事も当然ながら必要になってきます。



これまで地道にエミートの活動をしてきた事や、素晴らしいシェフ達との出会いのおかげで、若牛の第一号の『大晦日』ちゃんにもたくさんの方に興味を持って頂いて、予約して頂きようやく若牛を販売する事までは見えたのですが、課題はあります!レストランごとに使う部位はある程度決まってしまうので、回転の早い部位と遅い部位ができてしまうのです。小さな牧場の取り組みですので、1頭を売り切ってようやく次の牛さんへと繋がっていくのですが、そこを補う為に私達がやるべき事は、念願のお肉の一般販売!です。




Emeat の 一番大切にしている事は『しあわせな牛飼い』になる事です。牛さんの管理だけでいっぱいいっぱいの小さな牧場に精肉販売は夢のまた夢でした。加工技術の取得、高価な機材の導入、営業に、発送や梱包、クレーム処理・・・牛さんを診る時間がなくなって、根本から崩れていく事は安易に想像できました。国も生産者が販売まで行う事を推進していて、上手く使う事が出来れば負担も少なくスピーディに行えると思うのですが、どうしてもそのスピード感に着いていけません。






そんな時に(株)フレッシュミート佐久平さんとの出会いで、ようやく光が見えました。全国でも他に無いであろう同じ敷地内で屠畜から精肉加工までを行える設備と、若牛やエミートの奇想天外な取り組みを面白いと協力してくれる精肉加工のプロ集団!その出会いでエミートの精肉一般販売のビジョンが見え、動き出しました。



間違いだらけかもしれないけど、エミートらしく成長しながらゆっくり進んでいこう!あたたかい物を販売したい!小さな牧場だから背伸びしないで出来る事はなるべく自分達でやる。もちろん全力で楽しみながら。でも、小さな牧場だから、本職は牛飼いだからという事に絶対に甘えない。








そして、頭を絞りに絞ってニチレイフレッシュさんに細かく要望を伝え、大晦日ちゃんの精肉がいよいよ完成しました!


業界もビックリ、トレーはまさかの緑と金!
普通は高級感を出す黒や、量が多く見えたり食欲をそそる赤、お肉が映える白のトレーが主流なのですが、若牛をイメージした時に個人的にこんな色の組み合わせもあっていいんじゃないの?と思ってしまったので、誰にも相談せずにドキドキしながらオーダー(笑)


そして、お肉の形がクッキリしてると思うのですが、これは袋に入れて真空にするパックとは違って、お肉の乗ったトレーに上からフィルムを貼る保存性の高いスキンパックという、お肉ではまだ珍しいパックにしてもらいました。トレーの大きさも、見栄えを考えるともうちょっと大きい方がいいのですが、運送代が少しでも安く済むように小さくしました。
 

 






そして、ショックフリーズというマイナス40度の冷風で急速に冷凍してもらいました。(細菌の繁殖の多くなる温度帯をすばやく通過させ、凍らす事で鮮度を保つ為です)そして、我が家のマイナス60度の冷凍庫で保管し、販売していくスタイルです。


8月に出荷した牛さんの事を今頃に日記を書いてるのは、業界の人からすれば???かと思われるのですが、最初だからこそじっくり考たい、輸送の鮮度リスクや発送業務や、牛飼いと精肉の安全面での両立、なによりも牛飼いのエミートらしく販売していく事を考えた時に、この鮮度管理のスタイルしかないと考えたのでした。



という事で、Emeat の精肉は全て冷凍の商品で、クールでの発送となります。輸送の品質低下のリスクもなく、解凍方法さえ分かれば瞬間冷凍してあるので味も落ちず届いたら解凍するまでは慌てて食べなくても大丈夫!もちろん解凍方法の仕方も冊子に書いてあります。チルドよりは加工や保存のコストがかかるのですが、販売する方も購入する方も、期限に縛られず自由にお肉を動かせる方法に魅力を感じています。








お肉の加工をお願いしてる間に、自宅裏の物置小屋をせっせと壊してお肉の保存と加工のする為の小屋を建てました。もちろん出来る事はなるべく自分でやる感じで。









冷凍されたパックを保存し販売するだけですが、あくまで食肉販売ですので、保健所の許可ももらって、将来は自分で加工も出来る位の場所を作りました。




​そして、精肉が我が家の冷凍庫に届いてやった事は、食べる事です!(売りなさいな!)














いろんなお肉と食べ比べたり、ツイテルさんで60日エイジングしてもらったり、山形出身の旦那の芋煮で食べたり、とにかく食べまくりです!



自分だったらお肉をめっちゃ食べてる人から買いたいし、まずは自分達がとことん楽しみたい!これまで牛を飼ってる仕事をしてると「いいなぁ〜お肉食べ放題だね!」と言われても「そんな事もないんだよ」としか答えられなかったのですが、やっと堂々と「そうだよ!」と言えるんです。もちろん食べたかったというのも正直なところですが、食べまくった一番の理由はお肉ってどういうものかを見つめ直したかったのです。そうしないと、何をどうやって販売していくのかが分からなかったのです。



子供が喜ぶ顔、お肉で明るくなる食卓、ハレの日、美味しくて誰かにあげたくなる、これまで牛を育て、お店に販売する所までは経験しましたが、作り手の私たちが食べ手に直接販売する感覚はとても新鮮で、お肉という商品について考えさせられ悩みました。




パッケージはどうしようか、ダンボール、包み紙、のし、桐箱、ポップ。最高の物をかんがえると、天井知らずでどんどんお肉の値段が高くなっていきます。でもお肉って高級なものだから、そこはちゃんと応えたい。でも注文ロット数の少ない個人規模がやると、なおさら高くなってしまう。でも、個人規模という事に甘えたくない!本当に悩みに悩んでいた時に、昔イベントである人からもらった言葉を思い出しました。




『エミートって知らない誰かにかしこまってあげるギフトっていうより、兄弟とか親とか近い人に食べて欲しいって思えるようなお肉ですね!』











その言葉を思い出してハッとして、どういう商品にしようか見えてきました。エミートらしく、背伸びしないで、でも丁寧に!



一箱に1〜3パックまで入る大きさで、輸送ダンボールは別に設計しました。お肉3パックまでなら1箱で80サイズ、4〜6パックなら2箱入りで100サイズのクール便で。伝票が箱に付かないので、取り出したら気軽にそのまま贈答もできて、白なのでいろんな事に対応できる形にしました。








そして、商品イメージはこちらになります。
お肉の世界ってあんまり『オマケ』が無いよなぁと、購入する人はオマケあった方が嬉しいのに!と、オマケ大好きな旦那の考えで、エミートは1パックに100gのひき肉がオマケで付きます!!



もちろん、お肉の解凍方法や牛さんの物語や牧場の事が乗った12ページのミニ冊子もお肉1パックごとに付いてきます!


これなら、冷凍だし解凍するまでいつ食べてもよし、自分で食べてもよし、美味しかったから箱に入れて残りを誰かにギフトにしてもよし!と、届いた方も臨機応変に選べるし、自由で背伸びしてない感じが私達らしくていいかなと思っています。


郵送ダンボールの設計をミリ単位でミスって中の箱がちょっと取り出しづらいのが、次の課題(汗)です。難しい〜。








たいがいの事は足場パイプとクランプ、そしてマッキーで何とかなる!と思ってる器用な旦那にせっかくだからと空いた時間に小屋にロゴを書いてもらいました。










本当にマッキーとペンだけで書いちゃった。





長々と書きましたが、こうやって楽しみながら、いよいよエミートの一般の精肉販売が始まろうとしています。実際にどんな商品なのか、それは次回の日記にて!








































 

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Emeat若牛 × 大晦日

 




 



Emeat若牛の最初の牛さんは、『大晦日』ちゃんになりました。
2013/12/30生♂  血統:勝忠平×第1花国×安平



名前の通り、大晦日に生まれた『大晦日』ちゃん!
私の住む群馬は1年で最も昼夜の寒暖差が大きくなるのが大晦日なんです。寒暖差は牛さんに容赦なくダメージを与えます。しかも私の牧場はなぜか毎年、大晦日に分娩が始まる牛さんが必ずいて、紅白を見る事も蕎麦を食べる事もなくバタバタを新年を迎えるのが恒例になってます(笑)大晦日ちゃんも寒い風が吹き付ける中、難産で生まれ体力を消耗し、弱っていました。牛飼いの農家にとって正月は怖いんです。だって、獣医さんや薬屋さん餌屋さんがみんな休みに入ってますから。




そんな時、松本大策先生に大晦日にすみません!と藁をも掴む思いで連絡したら、すごく丁寧な対応で、大晦日に深夜近くまで電話越しに的確な指示を定期的に下さったのです。大晦日ちゃんは生死の境からみるみる回復し、生まれてすぐに処置や予防を何度もしたので、人間に慣れ、牧場で一番人間が大好きな牛さんになりました。





 

 


そんな大晦日ちゃんは偶然にも最初の若牛の群に選ばれ、命の恩人の松本大策先生に再会し、このようなじゃれ合いっぷりです(笑)



実は最初に若牛として出荷する予定の牛さんは『大晦日』ちゃんでは無かったのです。同じ群で『大晦日』よりも1ヶ月早く生まれた「まゆこのこのこ」が当初は最初の若牛になる予定でした。なぜ『大晦日』ちゃんになったのかと言いますと、これは若牛を開発するという産みの苦しみに関係してきます。



それは出荷のタイミングをいつにすれば、若牛としての能力を十分に発揮できるのか、そのデータが全くありません。最初に若牛に取り組んだ「能勢黒若牛」は全てメスの牛さんで我が家は去勢した男の子で成長のスピードなど違ってきます。若牛の出荷予定の19〜22ヶ月齢は牛さんの形が日に日にみるみる変わっていくような時期で、そのタイミングによっては重量だけの問題ではなくそれは肉質にも関係してくることなのです。データではなく牛さんを診て判断していくのですが、若牛というこれまで経験したことの無い牛さんを目の前にすると、私たちの目も慣れていません。



それらは開発といえど、餌代も天井知らずな今とても苦しい中で、すべて自己責任の商品として考えなければなりません。リスク回避を考えるなら、出荷のタイミングを遅らせた方がいいのですが、それでは開発のデータが取れないんです。開発する上で19ヶ月齢の若牛としてのデータも残したい。でも怖い。本当に不安で怖くて悩みました。









『大晦日』ちゃんはどこにもない初の取り組みという事もあり、餌屋さんや関係者が毎月必ず定期的に見に来たり、牧場を訪れたシェフも必ず見ていきました。さらに『大晦日』ちゃんは信じられないくらい人が好きですので、牧場の歴史の中で一番いろんな人に触られた牛さんとなりました。4歳の息子も『大晦日』ちゃんが大好きで、まるで自分が触れる牛さんとして自慢するかのように東京から来た姪っ子を連れていったりしてました(笑)



『大晦日』ちゃんなら19ヶ月齢で出しても大丈夫、『大晦日』だったら私は信じる!Emeat若牛の最初の牛さんは『大晦日』ちゃんになって欲しい!群の中で、生まれが1ヶ月先のボスがいてもこの時点で一番発育の良いのが大晦日ちゃんという事もあり、リスクの高い19ヶ月齢出荷の最初の牛さんを『大晦日』に決めました。この日記の最初に載せた若牛のロゴイラストも、『大晦日』がモデルです。






 

 


『大晦日』ちゃん達は期待に応えてスクスクと大きく育ってくれました。手前が若牛の『大晦日』ちゃん達で、向こうの3頭が理想肥育の1ヶ月先に生まれた子達。








 

 

 

Emeat若牛 『大晦日』 19ヶ月齢
2013/12/30生♂  血統:勝忠平×第1花国×安平


そして先月、お肉になりました。
枝肉重量369kg、目標にしていた450kgまでは届かなかったものの、肉質も良く、予想以上の造りの良さでした。そしてその結果は今後の若牛の開発を進めていく上でとても有益な情報になり、後に続く我が家の若牛候補達に道を示してくれました。










そして、加工や検査や成形を(株)フレッシュミート佐久平さんにお願いし、いよいよ我が家に『大晦日』ちゃんが戻ってきました。


まず我が家に戻ってきた部位は一番高いヒレです。最高級部位だけあって美味しいのは当然だからあまり試食としては使用しないのですが、今回は目的が違うので、あえてこの部位にしました。それは何度も書いて来ましたが、私達牛飼いは牛さんを育てるだけで、流通の複雑さもあって、自分達でお肉の販売までしないと自分の育てた牛さんを自分達で自由に食べる機会が本当に少ないんです。

 

 

 

「若牛」は全く新しい取り組みで、まだ認知されていないので、通常の流通方法だと価値が認められないから自分達で販売するまでを必然的に求められるのです。農家が販売の事を考えるのはすごく大変な事ですが、この機会にやっと実現した育てた牛さんのお肉を育てた私達が自由に食べれるという、そんな当然の事を楽しみたかったのです。だってこの化粧品良いんだよって肌がツヤツヤしてる人が売ってたら私は欲しくなっちゃいますから。私達が育てた牛さんのお肉をまずは誰よりも私達が存分に楽しみたい!




 

 


言うまでもなく本当に本当に美味しかったです。
これまでの不安もあり、最初の一口を食べた時の感動は今でも忘れられません!





 

 

 

4歳になった食の細い息子も、お肉を信じられないくらい食べました。最近、お肉を食べると「このお肉ってどこの子?」と聞いてくるのですが、私達は毎回「◯◯県の牛さん」とか「◯◯の豚さん」とか答えていました。そして、この日もその質問が飛んできました「このお肉ってどこの子?」



正直、すんごく迷いました。毎回出荷のトラックに立ち会い、トラックに乗る牛さんを「がんばれ〜!」とまだ意味も分かってない様子で応援してくれる牛飼いの息子。もし、私がこれから言う言葉でショックを受け、吐き出し、お肉が食べれなくなったらどうしよう?

 

 

 

「ねーえ!このお肉ってどこの子?だってば!」私は答えました。





「このお肉は、みそかちゃんだよ!」




「え!あのみそかちゃん!?」

(大晦日の愛称は「みそかちゃん」でした)




すると真剣な顔になり、お肉をしっかり噛みしめるような食べ方に変わりました。そして「みそかちゃん美味しいねー!」と言ってバクバク食べだしたのでした。そして翌日、「今日もみそかちゃんあるー?」と聞いてきました。それからというもの、息子はお肉を出す度に「このお肉ってどこの子?」ではなく、「このお肉ってだれ?」と聞いてくるようになり、やたらとお肉を食べたがります。私達のやってきた事は間違いじゃなかった!そう思えて本当に泣くほど嬉しかったです。









そして『大晦日』ちゃんは、最初のEmeat若牛として出発したのでした。





 
              詳しいお話はまた次回に☆













 

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Emeat若牛いよいよ始まります!





昨年の11月、日本で初の取り組みである黒毛和牛の『 若牛 -わかうし 』の開発チームとしてEmeatも取り組む事を決断し、まずは3頭を若牛として飼育していました。




そもそも、『 若牛 -わかうし 』ってなに? 
 

 

 

日本における「和牛」と言われるものは黒毛和種、褐毛和種、日本短角和種、無角和種、とその4種間の交雑種の事を言いまして、その中でも9割を占めているのがEmeatも現在飼育しています黒毛和種です。他の動物にはないサシ(霜降り)の入る遺伝子を持ち、日本が世界に誇れる「和牛」となりました。外国産のお肉と差別化する為にも、黒毛和牛はどんどん霜降りを追求して改良しています。長い歴史を積み重ね、現在は安定的に霜降りのお肉を作る肥育方法が主流です。Emeatもその歴史に学び、これからも日本の誇る霜降りのお肉も作っていきます。




その一方で赤身嗜好の声も現在は増えていますよね。現在は脂の入るロース系よりも赤身の強い部位から売れていきます。黒毛和牛は霜降りを目指す飼育方法のみの製法で、赤身の強い部位が取り合いになっているというのが現状です。もっと言えば、その霜降りや赤身の嗜好の違いでお肉を選ぶ時に「赤身=外国産」「霜降り=和牛」というイメージが一般的になっていってる気がします。これって私たちの求めた差別化でもなく、黒毛和牛の魅力でもないと思います。




だってサシ(霜降り)だけが黒毛和牛の魅力じゃないから!歩留まり(お肉になる量)の良さや風味や和牛特有のほのかな甘み、循環、歴史、想い、目の前の牛さんに触れる度にたっさんある事に気付かされます。



ですから、1つの飼育方法で1つの牛肉ではなく、赤身を目指した新しい黒毛和牛の飼育方法を追求していく事もできるはず。それが『 若牛 -わかうし 』の最初の考えです。



「赤身と霜降りのいろんな種類があって安心しておいしく食べれる牛肉=日本の和牛」



これこそが、私たちの求める差別化であり、黒毛和牛の魅力だと思うんです。




 

 


上記は大雑把なグラフですが、若牛のコンセプトは牛さんの骨格の成長曲線の最大値を迎える約20ヶ月齢でお肉を仕上げる事が出来れば、牛さんの能力を十分に発揮しつつ、サシ(霜降り)を安定的に入れていく時期の前になるので、基本的には赤身のお肉で、さらに若いからこそのジューシーさ、柔らかさやキレが出せるという所です。



その新しい黒毛和牛の飼育方法が開発出来れば、たくさんのメリットが生まれるんです。




☆穀物の節約

世界中で穀物の奪い合いが激しくなってる今、ずっと畜産のあり方も問われて来ました。循環型農業と言ってもお肉を作るのはエネルギー効率が悪いんじゃないか?例えそれが分配の問題であっても、私達生産者は「まずは食べ物がある」ことこそが第一の「食の安全」という意識の元、各農家で少しでも飼料を無駄にしない事を努力してやっていますが、この若牛のやり方は物理的に1頭あたり3トンの穀物を使わずに済みます。




☆環境負担の軽減

さらに成長曲線が最大値を迎えるまでに効率良く育て、従来より10ヶ月も肥育期間が短縮するので、無駄な老廃物が出ずに環境への負担も軽減します。





☆動物福祉の向上

その短い期間に従来の牛さん同様に仕上げるという高度な事が要求されますので、より健康的にストレスを与えずに飼わなければなりません。1つのマイナス要素があったならそれをリカバリー出来る時間が若牛はないので、より健康的に牛さんを育て上げる為に観察したり、予防を徹底する事が必要になるので、期間は半分でも牛さんを診る時間は倍になります。




☆新しい流通の可能性

牛肉は量が大きく部位ごとに用途も違ってくる生鮮食品ですので、間にたくさんの人の手が関わってきます。野菜や果物のように生産者が販売までする道のりはとても遠いので、なかなか生産者と消費者に距離が出来てしまいます。若牛は肥育期間が短いので10ヶ月後に商品が出来上がる事になります。10ヶ月待ちの商品は世の中にはたくさんありますよね。つまり受注生産が可能になり、消費者と生産者が直接繋がって、求められてるものを作るという事が可能になります。








子供達のこと。今日より少しだけ良い明日を。霜降りも素晴らしいけど、赤身も美味しい。

 

 

 

1つの小さな牧場から、いろんな魅力の黒毛和牛を。






 

 

 

小さくする、軽くする、短縮する、いろんなものが時代と共に進化してきましたが、それらの事って本当にいろんな知識や時間や努力を費やしてようやく進めるんですよね。短縮技術を開発していく。これがこんなにも大変な事だとは思いませんでした。

 

 

 

30ヶ月間肥育してる所をサシが入る前の20ヶ月の所で出荷すれば、餌の節約にもなってリーズナブルな赤身のお肉になる。相手は物言わぬ生き物ですから、こんな簡単な話では決してありません。重量が取れなければ商品の単価はどんどん上がってしまいますし、お肉はサシの有無で全てが決まるのではなく、キメ細やかさや締まり、風味、味、使いやすさ、部位の成長具合、さまざまな要因が重なる事で美味しいものとなるんです。

 

 

 

そして長年の歴史を重ねてやっと出来上がったのが現在の肥育方法なのですから、それらを短縮していくというのは本当に難しく、私も最初は不可能だと思っていました。それを実現する為には1つ1つ地道にデータを取りながら最新の技術と経験と知識でクリアしていかなければなりません。しかも開発とか試験とか言っても、ただでさえ苦しい農家の中の大切な商品ですので失敗も全て自己責任になります。未来を考え、国のプロジェクトを国が主導でやるなら分かるのですが、個人の農家がやるのは正直言ってリスクしかありません。

 

 


この問題は若牛のプロジェクトを進めていくうえで大問題でした。理想は素晴らしいが作り手からすると試験牛を作っても買い手がないのでリスクしかない。その反面、若牛に賛同し扱ってみたいと思っているがサンプルや定期的な生産がはっきりしないと買い手は動けない。買い手が無いので生産できない←→買いたいが商品がないので動けない。作り手も買い手も若牛の魅力を理解しているのに全く動けない悪循環です。







そんな時に最初に手を挙げたのが大阪の能勢で『能勢黒牛』を生産している中植さんでした。こんなに素晴らしい話が進まないのは!とリスク承知で最初に取り組んだのです。それはかなりの勇気がいる事と思います。

 

 

中植さんとは大きな共通点がありました。お互いがこの若牛プロジェクトにも大きく関わる獣医、松本大策先生が定期的に行っている個人規模の牧場の数少ないコンサル先であったのです。どこにも無いものを新たに作るのだからリスクがあるのは当たり前ですし、やっぱり最初は個人規模の私達のようなコンサル先の牧場が忠実にそして自由に動けますから。



その言葉にハッとして Emeatも若牛の取り組みを始めようと決めたのでした。








 

☆ まゆこのこ  2013/11/26生♂  美国桜×勝忠平
☆ 食パンマン  2013/12/13生♂  貴福久×百合茂×北仁
☆ 大晦日      2013/12/30生♂  勝忠平×第1花国×安平

 

 



最初の試験牛が決まりました。
そして専用の餌の開発から始まりました。使った事のない餌、これまでとは違う使用量やバランス、そしてそれらは何もデータがありません。3頭という少ない頭数の為に餌を新たに開発というのもコストがかかり、特注の餌なので遠くから運んでくるコストもかかって来ます。






 

 

松本先生のコンサルを呼ぶ回数も倍に増やし、直接顔を合わせて情報交換する為に群馬から大阪の中植さんの松本先生のコンサルに数回参加したり、とにかく前例のない事でしたので、チーム若牛として顔を直接合わせながら情報の交換やいろんな試行錯誤を繰り返してきました。


短縮って本当にこれまでの経験が全部関係してくるなと思いました。マニュアルじゃなく、牛さんを観察し、声を聞くように必死に飼っていました。



もちろんクリアしなければならない問題は育てる事だけじゃありません。お肉の加工はどうするのか、前例の無いものをどこにどうやって売っていくのか。牛さんを育てる事しかしてこなかった農家にとって、生鮮食品としての3頭が本当に大きく私達にのしかかってきて、何度も潰されそうになりました。



でも諦めずに必死に動いたら、(株)フレッシュミート佐久平さんとの出会いがあったり、中植さんの「能勢黒若牛」が夏のお肉の甲子園とされる「牛肉サミット」で大躍進を遂げたり、メディアに取り上られる中で、素晴らしい企業さんが若牛の開発にに協力してくださったりと、1つ1つクリアしていく事が出来て、ようやく3頭の牛さんが『 Emeat若牛 』としていよいよ動きだしていきます。




すごく大変でしたが、すごく楽しかったし、今も大変だけど楽しいです。牛さんと会話しながら、時には悩んでも同じチームとして1つの事を目指していく。若牛の作ってくれた和。とても幸せな牛飼いをしています。





さぁ、最初のエミートの若牛については、次の日記で!









 

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牛肉サミット2015に参加してきました!

 






今年も牛さんの甲子園といわれる『 牛肉サミット2015 』が琵琶湖湖岸の大津港周辺を会場に8/22、23と2日間行われました!2011年の震災の年に始まったこのイベントは全国のお肉を食べながら被災地の復興支援にもなるとても大きなイベントです。



昨年のサミットでデビューした『 能勢黒若牛 』が素材を味わう塩のみの串焼きで名だたる銘柄牛の中で堂々の5位に入り、特別審査員賞も頂いて「若牛」の可能性を大きく示したのですが、今年も参戦するという事で、同じ『チーム若牛』として現場で若牛の産みの苦しみや喜びを味わってる仲間として、お手伝いに参加してきました!










目の前で「若牛」の反応を直接感じれる貴重な機会ですし、将来的にこういうイベントを計画した時にどんな準備が必要でどんな段取りをするのか、特に鮮度管理が必要なお肉ではどうするのかなど、将来の勉強になるというのはもちろんですが、我が家も8月は若牛の出荷が控えていたりととても忙しい中で、こんな機会に遠くに行って祭りに参加するというような、やっと自分にも夏休みがきたような感覚でした。そして、石坂牧場に婿になる前に富士山頂で2ヶ月間泊まり込みで朝の3時から夜の8時までみっちり20万人の相手をしていた時の事を思い出しとても懐かしい感覚でした。








大阪の能勢町は古くから「三白三黒」が伝統食材として特産品となっていて、三白(能勢米、寒天、高野豆腐)三黒(能勢黒牛、能栗、炭)が能勢の特産品です。そして、今回のサミットではその能勢を全面に生かした三黒の一つ、炭とのコラボです!







菊の花を思わせる断面の美しさ、火付き・火持ちがよく現在も茶席にはかかせない贅沢な菊炭で今回は串焼きです!





 

 

500年の歴史を持った能勢菊炭、新世代の和牛として取り組んでいる若牛、能勢の「三白三黒」の歴史の中で、見事に新世代の和牛と伝統が融合しました!








うんまい!
若牛うまいよぉ〜!

















 

 

 

雨が降ったり、日に焼けたり、声が潰れたり、メガネ割ったり(笑)汗だくでのぼりを掲げた腕に蝉が止まってジージー鳴いてドン引きされたり(笑)


いろいろとありましたが、とっても楽しい2日間でした。牛肉サミット過去最大の出店数で、有名銘柄のお肉に混じって感じた事、そして実際に食べてまた戻って来るお客さんが本当に多かった事、最後はこれに決めてるんだと閉店間際に最後のチケットで買っていただいたお客さんや、美味しさに感動して一緒に集客を手伝ってくれた方など、若牛の持つ力を肌で感じる事ができました。ブランドは自分たちで一方的に作るものではなく、こうやって一歩一歩進んでいって自然と出来上がっていくのだと改めて感じれた2015年の牛肉サミットでした。



その一歩がたとえ険しい歩みの中でも志を同じくする仲間が遠くからでも集まって、汗を流して笑いあう感じが、普段は牛舎にこもり職人のように牛さんを管理している私たちにとって、とっても楽しかったのでした。

 

 

 

この能勢の最高のコラボ、またやって欲しいなぁ〜。


                                  えみりんの旦那
























 

 

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Emeat × 中植さん × 能勢黒牛



 

 

事の発端は昨年の10月、Emeatも取り組んでいます黒毛和牛の短期肥育プロジェクト『 若牛(わかうし)』の東京での会議に参加したのですが、その若牛の第一人者である大阪は能勢の中植さんが翌日牧場に遊びにきて下さったのがきっかけでした。


中植さんは、大阪の能勢町で黒毛和牛の肥育農家でありながら精肉屋さんと焼肉屋さんを一貫して行っていて、地域に根ざした『 能勢黒牛 』というブランドで大活躍されている方です。この日記にも何度も登場している、全国の数多くの牛さん観ているカリスマ獣医師の松本大策先生のコンサルタントをお願いしている数少ない個人規模の牧場同士という事もあり、はじめましてとは思えないほどお互いの事が理解できる心強い関係です。


その時に、まだ何も確立されてないし、正直怖いけど、松本先生が本気で取り組むこの『若牛』のプロジェクトは、教え子である小さい個人規模の牧場の私達が投げ打ってでも最初に動かなきゃ、何も始まらない!と若牛に取り組む決意をしたのでした。



そんなこんなで、中植さんが石坂牧場に来て下さった記念に生まれたばかりの子に『 中植さん 』と名付けたのでした。









たまに『中植さん』の成長はネットなどを使って報告していました。『中植さん』は脱走は何度もしましたが、病気も一切無く、順調に育っていました。そして、ある時にフッと思いついてしまったのです。

 

 

『中植さん』を中植さんが育てて、能勢黒牛もしくは能勢黒若牛になる。それってやっぱり素敵だなぁ!



もちろん、ただの思いつきです。
石坂牧場は母牛の管理から子牛の育成、そして肥育と一貫して行っていますので、子牛を販売する事も可能なのです。現在は子牛の値段が高騰しているという事もあり、同じような一貫農家さんが肥育の前に子牛で販売するという事も増えています。もちろん時代に合わせた柔軟さは経営的にとっても大事なのですが、でも、石坂牧場は一貫のサイクルを守っていくという事にずっとこだわってきました。改善が早い、ストレスが少ない、子牛を相場に左右されない分だけ餌にこだわれるなど、一度歯車が回れば強いのですが、デメリットはその歯車がとても大きい事なのです。

 

 

 

育成し、母牛を育て、種付けをして、妊娠、出産、子牛育成、肥育、そして販売してやっとこさ資金が産まれるんです。その間の経費は?こんな感じでようやく順調に回り出すまで10年以上もかかりました。やっと大きなサイクルが回転し始めたという事を重視しているので、基本的に子牛での販売は現在も全く考えていません。






でも、今回はなぜか想像が止まりませんでした。


メスの得意な中植牧場に行ったらこの子はどんな子になるんだろう?
中植さんは精肉店や焼肉屋さんもされているので、この場合はエミートのように「牛肉」ではなく「中植さんのお肉」として提供されるんだろうな。そんな時、育てた中植さんはどんな気持ちになるのだろうか?でも牧場に自分が名付けた牛さんがいるって牛飼いとして単純に楽しいよね!その感覚を中植さんにも味わってもらいたい!若牛の飼育技術は想像よりもはるかに高度で、お互いが協力しあって詰めてく事が本当に大事な連携になっていくけど、そんな時にお互いの共通の牛さんがいると楽しいよね!なにより名付けた後にバシャバシャと子牛の写真を撮ってた中植さんの牛好きの顔!

 

 

何かに迷った時、エミートが判断基準にしている事は「しあわせな牛飼い」なのはどっちか?という事を真剣に考えます。という事で今回の自分なりの答えが出ました。






 

 

 

よし!『中植さん』は 中植さんに育ててもらおう!
基本的に子牛の値段はセリにかけられ取引されるのですが、それには理由があって売る方は高く売りたいし、買う方は安く買いたいので結局こういう取引は上手くいかないのです。でも、そこを信頼で乗り越えた時はとても効率的だし、目先以上の価値を生むと思うのです。と決まれば連絡を取り合って、全てをオープンに中植牧場を一直線に目指して育ててみます!あくまで私達ではなく牛さんの効率を重視した事をやってみたいと思いつきました。中植さんにその事を打診してみた所、びっくりしながらも大変喜んでくれました。







 

 

どんな事があって、どんなものを食べて、どんな事を何のために行ったのか、して欲しいか?餌が変わるストレスがかかるならば、もちろん餌も持っていきます。石坂牧場自慢の牛さん1頭1頭に用意され書き込まれていくオリジナルカルテも引き継ぎます。子牛での出荷が初めてなので、恵美も体験した事のない感覚らしく、でもやっぱり寂しさは同じで、技術的な事ではない飼い方の指示書を一生懸命書いていました。






 

 

 

特別サービスでリボンも付けちゃいます!
さあ、大阪の能勢まで520km。
手渡しが楽しいので、もちろん運ぶのも自分でやりますよ!




 


 

 

 

 

 



 

 

ゆっくり夜通しで10時間かけて中植牧場にやってきました!ずっと座って来たので『中植さん』も元気百倍!場所が違っても人が変わってないので落ち着いてる!これぞ手渡しパワー!






 

 

違う牧場に来たばかりとは思えない、すぐに草を食べるほどの落ち着きっぷり。移動よりもリボンの方がストレスかかってるのでは?と思ってしまう(笑)







 

 

 

楽しいから手渡しで、というのもあるのですが、実はこの日は中植牧場の松本大策先生のコンサルがあり、同行させて頂きました。我が家でも仕上げの段階に入っている『若牛』の現状報告や改善など、実際に顔を合わせて詰めていく貴重な時間となりました。「短縮」していくという事は、単純に早く出荷する事ではなくて、これまでの技術や経験の集約をしつつ、新しい目線で考えて、餌や給与方法などを新たに開発していかなければならない事ですので、それぞれ皆遠い所にいても牛さんを見ながら実際に集まって真剣に内容を詰めていくのが大切になってきます。もちろん産みの苦しみもあるのですが、そこにチームとして参加できてる事が私達の牛飼いの人生にとってとても貴重な財産です。











 

 

 

そんな時に『若牛』に取り組む私達のお互いの共通の牛さんとして「中植さん」が私達の癒しになり、そして、中植夫婦に愛情をたっくさんもらって、能勢で元気に大きく育ってくれると思います。






 

 

こんな大きく素晴らしい能勢黒牛になるのか、新しい能勢黒若牛となるのか、どちらにせよ「中ちゃん!」と呼ばれ、めいっぱい可愛がられてストレスなく育ってくれると大阪に到着した時の中植さんの顔を見て確信しています。



すでにズレてキティちゃんになってるリボンはいつまで付いているのか?今後の中植牧場の『中植さん』からは目が離せません!
またね、元気でね!








                               えみりんの旦那













 

 

 

 

 

 

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Emeat 若牛







日本牛肉協会が進める「若牛普及プロジェクト」の第2弾として、Emeat若牛がいよいよ始動しました。










そもそも、若牛(わかうし) って?



簡単に言えば現在黒毛和牛は28〜32ヶ月間齢の牛さんを肥育して出荷するのが一般的な黒毛和牛の飼い方なのですが、若牛は19ヶ月齢での出荷を前提とした全く新しい和牛の育て方、そして新しい牛飼いの可能性を探るという1つの取り組みです。



定期的にコンサルをお願いしている松本大策先生が理事を務めてるという事もあり、19ヶ月齢で黒毛和牛を仕上げるという構想はずっと前から聞いていました。霜降りは大切な文化です。しかし牛さんの魅力はそれだけではありませんし、穀物や環境の問題、消費者から離れ偏ったアンバランスな生産など、和牛はまだまだいろんな問題を抱えています。消費者の求める事を追求する事で新しい畜産のあり方や、価値を再構築していく事で、牛肉の多様性が産まれ本来のバランスを取り戻す事が未来の子供達に繋がって行く。やはり先生の『しあわせな牛飼いをしようよ!』が根底にある取り組みです。




なにやら見慣れた写真が使われている日本牛肉協会のHPです↓
              
      ( Click! ) →  一般社団法人 日 本 牛 肉 協 会









すごい人たちが多忙な中、なんとかしよう!と自腹で集まる熱い日本牛肉協会での会議に参加させて頂いた翌日に若牛を最初に取り組んだ大阪の中植牧場の中植さんが遠い群馬の牧場に来て下さいました。



中植牧場のある能勢町に古くからある〈 三白三黒 〉の流れを黒毛和牛に注いだ『 能 勢 黒 牛 』はとても評判が良く、直営店の《新橋亭》や《丸昭精肉店》には遠方からたくさんの方が訪れています。そして新世代和牛として最初に取り組んだ『 能 勢 黒 若 牛 』は、滋賀県で行われる10万人規模の大きいイベントである〔 牛肉サミット 〕でいきなり5位に入賞し、テレビや問い合わせが殺到する自体になっています。



中植牧場は松本先生が定期的にコンサルを行う数少ない個人規模の牧場でしたので、以前イベントで同じテーブルになり、お互いのお肉を注文し「これは美味しいですね!」と何度も食べ比べたのが最初でした。








19ヶ月での出荷というのは、単に飼う長さを短くするだけという事ではありません。黒毛和牛は19ヶ月で成長曲線の最大を迎え、あとは緩やかに成長していくのですが、その緩やかに成長していく時に餌を安定的に食べるとサシが入り肉質を変えていきます。

 

 

 

安定して食べてもらう為に、物言わぬ大きな牛さんの小さな菌にまで見つめて日々努力していくのが牛飼いの仕事なのですが、時代も移り変わり、消費者の趣味指向も多様化する中で、サシを重視しない事で1つの新しい牛さんの飼い方が見えてきました。成長曲線の最大で牛さんを仕上げようとする短縮という技術、そして新しい販路の構築。限られた時間の中でよりストレスなく、より健康的に。。



構想はとても素晴らしいのは分かっていますが、それは全く新しい事で、課題が山積みで、これから獣医さん、餌屋さんや動薬さん、販路や流通の開拓に携わる方々の協力無しでは成し得ない事で、農家自身も原価割れが続いてる中でなかなか踏み出せないのですが、今のEmeatがあるのも松本先生のおかげで、小回りの効く数少ない個人規模の松本先生のコンサル先だからこそ、まずは私達がやらなければ誰がやる!と、リスク承知でも開発にチャレンジしてみたいと決めました。









そして、その決め手になったのは、『 能勢黒若牛 』の おいしさ です!!









飢餓に苦しむ人達を救う穀物の量は家畜の餌のたった10%ほど。これらの問題は実際は分配の問題で、農作物の輸入量と一般糧の食料廃棄物を比べてみても余裕で食べ物を捨ててる時代だし、使えるものを乗り換えてエコポイントで喜ぶのも私達。

 

 

 

でも、頭の片隅にはその問題は常にあって、個人レベルでもそれぞれ生産者が少しでも管理を改善していけば、自分の牧場の牛さんの穀物だって10%は減らせるという意識を持っています。



牛さんを飼う期間が半分になれば、穀物の使用量、環境負担も単純に半分!従来の出荷より骨が細いので歩留が良く、無駄になる部分が少ない。そして、牛さんの育成が終わり、肥育する期間が10ヶ月という短さになる事で産まれる「10ヶ月待ちの商品」としての再生産可能な積み上げ式値段での受注生産という牛肉の新しい流通の形。






おそらく一般的には飼育期間が短いのは可哀想と思うかもしれませんが、一番私達が悲しむのはどんな飼い方であれ、出荷まで辿りつかせてやれなかった時です。ペットではない誰かの力になる為に産まれて来た牛さんには、持ってる能力を最大限に発揮してもらうのが私の責任であり、救いであり、親心です。健康的に飼う事を突き詰めながら、出荷までの期間が短いという事は、牛さんが出荷まで辿り行く確率が単純に上がるという事です。







これらの事はとても魅力的なストーリーであったり、倫理的な事であったり、たくさんの可能性を秘めていますが、あくまで若牛に取り組む理由は、味です。

 

 

 

どんな物語があっても、実際に食べて美味しいのが大前提です。能勢黒若牛を食べた時、ジューシーで程よい肉質で歯ごたえが素晴らしかったのです。もともと能勢黒牛も脂質が最高なのですが、そこに若さならではのキレが加わったとても新しい感覚でした。









サシのある無しはその牛さんそれぞれの個性!
サシがあっても無くても、何枚でも食べられる脂質を目指せば良い。「牛さんそれぞれ」をちゃんと伝える事で、個性として楽しんでもらいたい。個性が見えてくると、食材に魂が宿って、言葉での悲しい「いただきます」ではなく、「いただてる」事を体で感じる事を再認識して、何だか心も体も元気になって、思わず食べた後に「ごちそうさまでした」と言いたくなる恵美の育てた牛さんのお肉。 を略すと Emeat エミート です。



若牛を語ると、従来の黒毛和牛を否定してるように誤解されたりしますが、そもそも私は今も今後も従来の黒毛和牛の生産者ですし、サシだって大好き!なんてったってサシが入る遺伝子を持って産まれた唯一の動物の牛さんって世界に誇れる素晴らしいものですよね。だから牛飼いは歴史を重ね、長年の努力の成果で牛さんの能力を発揮しようと今の育て方にたどり着いたのだと誇らしくさえ思っています。



でも、牛さんの魅力はサシだけじゃないですし、1つの小さな牧場で、若い牛さんや、従来の理想的な飼い方をした牛さんや、子を産んだお母さん牛や、長生きした牛さん、などなど。



どれも黒毛和牛だけど、本当はいろんな種類で、そこからさらにいろんな個性のある牛さんが出る。あたりまえのその多様な広がりが、お互いの価値や魅力を再確認できて、求められるニーズによってバランス良く形を変えながら定着していくの事が未来に繋がっていくのかなと私は感じています。






 

 

 

☆ まゆこのこ  2013/11/26生♂  美国桜×勝忠平
☆ 食パンマン  2013/12/13生♂  貴福久×百合茂×北仁
☆ 大晦日      2013/12/30生♂  勝忠平×第1花国×安平




まずは我が家の試験牛としてこの3頭を Emeat若牛 として育てる事にしました。物言わぬ生き物で、どの牧場も環境が違う中だから正解の無い大変な仕事だけど、それぞれが真剣に技術や情報交換しながら日々牛さんと向き合うのが牛飼いの楽しいところでもあります。それぞれ自分の牧場なりの短縮技術の開発が必要になってきます。



最初の中植さんの能勢黒若牛はメスという事もあったので、我が家は市場から導入をしない一貫経営の去勢が主というスタイルで、これから続く同じスタイルの農家さんの指標になるよう精一杯に頑張りたいと思います。








 

 

 

牛さんとお話ができる松本先生に、まずは牛さんに直接、若牛の指導を実施して頂きました(笑)




売り先があって作るのがまっとうな生産というものですが、今回はその前の段階ですので、試行錯誤をしながらも、あと、8ヶ月で運搬、冷蔵庫、売り先と決めて行かなければなりません。でも牛さんの価値は絶対に落とさない。生産者はみんな親バカだからです。



それは一人では抱え込めない大変な事だと感じていますが、とにかく始めなければ何も見えてきません。新しい事ですので、日本牛肉協会はもちろん、牛肉の関係者以外の方からもたくさん知恵を借りて、記念に先生に名付けて頂いた『若牛丸』を出荷する頃には「待ってました!」と言われるような環境をなんとか作りたいです。だって、生産者はみんな親バカだから(2回目)

























 

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