Emeat若牛 × 大晦日 × 朔詩舎
現在、ブライダルの方でお世話になっています地元の群馬県のスワングループさんの『 THE GEORGIAN HOUSE 1997 』の総料理長である細井ムッシュに、『若牛』を取り組み始めた時に直接説明に伺ったのですが、その時に私の小さな牧場という規模や若牛というまだ開発の段階で安定した生産までいかない事を理解され、同じスワングループの朔詩舎というレストランを紹介して頂きました。
『 THE GEORGIAN HOUSE 1997 』さんの
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朔詩舎さんといえば、前橋の文学の社のような敷島にある群馬を代表するようなレストランで、確かスワンの最初の出発点の場所だったはず。その前橋に産まれた詩人、日本近代詩の父と言われた『萩原朔太郎』氏の詩情と遠い異国フランスへの憧れをテーマにした歴史を持つ名店である 《 現代仏蘭西料理 朔詩舎 》
いつの間にか世界文化遺産の富岡製糸場に行くなら、朔詩舎にも。という1つのコースになるような名店で、四季で変わるコース料理ですので供給面を考えるとEmeatは難しいだろうと思っていたのですが、だからこその率直な若牛の感想をぜひ聞いてみたい!という事で、お時間を作って頂き、『大晦日』を持ってお店に伺わせて頂きました。
ため息が出るほど落ち着いた隠れ家のような気品のあるお店です。大正ロマンとアールデコ、そうだった!スワンさんは、「模倣が創造を超える事は、ない」という事で、本物でおもてなしをとことん追求する人達だった!凄い!!
朔詩舎 シェフ 田村 尊信
名門「ホテルオークラ東京」に入社し、洋食部門で長年の修行を積みレストラン「ラ・ベル・エポック」を経て、故郷の群馬に帰り、(株)スワンに入社。「ヴィレ・シーニュ」のシェフおよび支配人となり、《 現代仏蘭西料理 朔詩舎 》のシェフおよび支配人になる。
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こんな一流なシェフに『 若牛 』はどう映るのか、緊張とドキドキしながら若牛の事を説明しました。とても真剣に聞いて下さって、それは本当に素晴らしい事だと言って頂きました。
お忙しい時間に対応ありがとうございました!ではまた後日でいいですので扱ったり召し上がった時の感想を聞かせて下さい!と帰ろうとすると「これから調理しますから、少し待ってて下さい!その場でお互い食べるのが一番良いでしょ」とお肉を持ってシェフが厨房に入っていきました。「ありがとうございます!」
調理の間、お店を見せて頂きました。
「ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背広をきて
きままなる旅にいでてみん。」
萩原朔太郎の詩篇「旅上」の冒頭より。
この時は天気が歴史的に異常なほど悪い日が続き、9月に入ってから日照時間がたったの5時間しかないとかで、いつも雨か曇りでどんよりとしている頃だったのですが、この風景と四季や情景がダイレクトに伝わって来る朔詩舎の店内にいると、まるで詩の中に入り込んだような感覚になり、うんざりだった雨模様も緑のコントラストを強くし雨も悪くないなと思えるような気持ちに変わります。
四季によってコースメニューを変えていく、それがとても納得出来るようなお店。
朔詩舎さんに魅了されていると、田村シェフが『大晦日』を持って戻ってきました。
普通に焼いたもの、網焼きにしたもの、お湯を通したもの。なんと、若牛はどんな調理法が良いのかまで試して頂き、プロの視点からいろんな事を教えて頂きました。こんなに変わるのかとびっくりしました!
シェフの感想は、大前提として大変美味しく、さっぱりしているが味わいが深く、やはりどこにも属さない新しい牛肉だという評価でした。時代と共にこのようなお店にお肉を実際に食べに来るお客様はお年を召した方が増えていて、そういう方たちが求めているのはこういうお肉だろうという事でした。
群馬にもこうやってがんばっている若い農家さんがいるんだね!と褒めて下さり、「でも、コースとなると厳しいでしょ?」と私達の事も理解して下さり、こういう風にやったら良いんじゃない?という風にアドバイスもたくさん頂きました。基本的にコースだけど、アラカルトも出す事もあるから、その時にお互いに準備が出来れば、ぜひその時は声をおかけしますので、やりましょう!
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人を繋いでくれる食材、牛さんのお肉。今回もたくさんの学びと幸せを頂きました。自信と課題を持ち帰って、スワン(白鳥)のように水面下では必死に、そして優雅に泳いでみせます!